World Journal

FXなどの投資系、金融系コラムを中心に書くブログ

初任給1000万円!外資金融の給料事情

http://www.flickr.com/photos/77896646@N07/9402199089

photo by _5M20

社会人1年目から都心の高級マンションに住み、高級車を乗り回す。超高額の報酬で知られる外資系の金融機関の給料システムはどのようになっているのか。今日はそんな外資金融の給料の話。

報酬体制について

外資系金融マンの給料は2つの報酬から成り立っている。基本給(ベースサラリー、通称ベース)とボーナスだ。この2つを合算した額が1年間の給料となる。多くの外資系金融機関は年俸制を導入しているため、ベースを12ヶ月で割った給料が毎月振り込まれる。そして、年1回のボーナス査定によりボーナスが支給される。給料の大部分を占めるのがボーナスだ。外資系金融マンの高額報酬はこのボーナスによって支えられている。

つまり、年収5000万だという人間でもベースは1500万くらいで残りはボーナスというケースが多いのだ。ベースではなくボーナスが給料の大半を占めていると、当然ながら給料のアップダウンが激しくなる。

個人の成績によってボーナスの査定が大きく変わるのはもちろんだが、会社の業績もボーナスの査定に大きく影響する。たとえ個人で優秀な成績を残していたとしても、会社全体の業績が悪ければ当然ボーナスも低くなるというわけだ。これは何も外資金融に限ったことではなく、証券会社や投資会社ではよくある話だ。

福利厚生について

基本的な社会保険などは完備しているが、日系企業のような手厚い住宅補助などはない。外資系金融機関の福利厚生はあって無いようなもので、その分給料の額面が高いという感じ。リクナビなどで日系企業の福利厚生のページを見ると驚く。それほど日系企業の福利厚生は充実しており、「見えない給料」が高いということだ。

外資系金融の福利厚生としては、住宅の借り上げなどがある。これは事前に会社が部屋を借り上げ、家賃相当分を給料から天引きすることで所得の額面を減らし、節税をするというシステムだ。あとは残業をすると夕食代が出るとかタクシー代が出るくらいだが、リーマンショック以降は経費削減としてこのような贅沢も削られているらしい。

http://www.flickr.com/photos/57591663@N00/4162229337

[http://www.flickr.com/photos/57591663@N00/4162229337:title=photo by [Jim]]

初任給について

外資系金融の初任給は会社や部門、職種によって大きく異なってくる。

外資系金融機関でも欧州系と米系の大きく2つに分かれている。米系はゴールドマン・サックスモルガン・スタンレーなど世界的な投資銀行が多く、欧州系はドイツ証券、バークレイズ、BNPパリバなど割と地味なところが多いという印象だ。当然、就活生の間では欧州系よりも米系のほうが遥かに人気がある。

初任給はというと、米系より欧州系のほうが比較的高い。理由は単純で、給料を高く設定しないと就活生はみんな米系に就職してしまうからだ。だから、人気が高い投資銀行ほどベースは低くなる。

参考がてら、15卒の友人で欧州系の投資銀行に就職する友人のベースは750万でボーナスが100万〜300万ほどだという。米系はこれよりも100万円ほど下がるので、ベースで600万程度のところが多い。うまく給料をもらえると、初任給で1000万円を超えてしまうこともあるのだ。ちなみにこれはフロントオフィスでの話だ。

外資系金融機関の部署も色々あるが、大別するとフロントオフィス、ミドル・バックオフィスに分けることができる。フロントはセールスやトレーダーなど要するに金を稼ぎだす部署であり、ミドル・バックはリスク管理や注文の執行、IT関連などフロントをサポートする部門だ。当然、金を稼ぎだすフロントの給料が圧倒的に良いのだ。

業界別初任給比較

外資系金融機関の初任給の目安は700万から1000万ほどだが、他の業界と比べてどれくらい高いのだろうか。

外資系の某超一流コンサルティングファームに就職する友人の初任給は570万円であり、ボーナスは出ないという。しかし、コンサルタント投資銀行と同様に激務として知られていて、それにも関わらず給料は外資系金融には及ばないことを考えると、かなり人を選ぶ職業だということは間違いない。ちなみに、日系のコンサルティングファームでも初任給は500万円、それに加えて残業代が出るという。下手をすると外資コンサルティングファームの初任給を超えてしまうというから侮れない。

ちなみに商社や国内大手の証券会社、メガバンクといった就職先として人気がある企業の初任給は残業代とボーナスを合わせて300万から400万というところが多い。つまり、外資系金融機関の初任給は日系大手企業の約2倍となる。

国内の大手企業では30歳を超えると年収が1000万円の大台に乗ると言われている。しかし、30代にもなると外資金融では年収3000万以上、中には1億近くを稼ぎだす人間も多く、やはり外資系金融機関の給料水準はかなり高いといえるのではないだろうか。

外資系金融マンのリストラ日記

外資系金融マンのリストラ日記