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World Journal

外資系金融機関勤務の著者がFXなどの投資系、金融系コラムを中心に書くブログ

日本人のほとんどは年収500万円以下という事実、給料が上がらない理由と給料の上げ方

お金に関するコラム

A fistful of Yen

ほとんどの日本人は年収500万円以下という事実

日本人の8割は年収600万円に届かない。つまり、年収600万円稼ぐとあなたは日本人の上位20%に属することになる。年収800万円稼ぐと上位10%に、1000万円稼ぐと上位5%になる。まずはこのデータを見てほしい。

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国税庁:平成26年民間民間給与実態統計を使用して筆者作成

これは日本の所得分布を示したグラフだが、日本人の年収のボリュームゾーンは年収300万円台である。年収500万円以下を合計すると全体の約72%を占める。つまり、日本人のほとんどは年収500万円に届かない。

年収500万円と聞くとあなたはどれくらいのレベルを想像するだろうか?多い、普通、少ない、人によって見方はいろいろだと思うが、僕が学生の頃はサラリーマンというのは大体700~800万円は稼ぐものだと思っていた。うまくいけば1000万円は稼げるというようなイメージを持っていた。しかし、このデータは年収800万円は上位10%の成績優秀グループに属していることを表している。年収600万円ですら上位20%である。あなたの年収は日本の中でどれくらいのレベルだろうか?

世帯年収は金持ち一家と貧乏一家で二極化傾向

世帯所得のデータを見ていこう。

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厚生労働省:平成26年国民生活基礎調査を使用して筆者作成

世帯所得の分布状況も個人所得の分布状況と似ているが、注目すべきは世帯所得の場合は1000万円以上の割合が10%を超えることである。夫と妻がともに正社員で大企業に勤めているケースなどが考えられる。しかし、世帯の6割は世帯年収500万円以下であり、世帯年収が500万円以下の家庭は夫の年収が300万円程度で妻がパートをしているケースなどが考えられる。

もう1つ驚くべき点は、世帯年収であっても年収300万円に届かない世帯の割合が3割を超えることである。1000万円以上の世帯が10%を超える一方、300万円に届かない世帯が30%と、世帯年収でも金持ち一家と貧乏一家で二極化が進んでいる状況がみてとれる。

低下しつづける平均年収

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国税庁:平成26年民間民間給与実態統計を使用して筆者作成

日本人の平均年収も低下傾向にある。最近はアベノミクス効果により大企業を中心に賃上げの動きが見られたが、伸び率は決して高くなく、英国のEU離脱など不透明感が強い現在の状況では平均給与の持続的な回復も期待できない。

つまり、日本人の平均年収はせいぜい横ばいか、最悪の場合低下する可能性が高い。そうなると、上述した世帯年収も低下し、現在世帯年収500万円以上の中流世帯が徐々に貧困世帯へと移行していくことも考えられ、ますます二極化が進む可能性がある。

なぜ日本人の年収は上がらないのか

なぜ日本人の年収は上がらないのか。答えは簡単。経済が成長していないからだ。まずはこのデータを見てほしい。このデータは先進国全体と日本の経済成長の推移を比較したものだ。

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 IMF:Economic Outlook 2016を使用して筆者作成

1996年の経済規模を100として比較してみると、先進国全体と日本では大きな開きがある。2015年以降は予想であるが、IMFによれば2015年以降もこの差は開き続ける。2021年時点で先進国の経済規模は1996年の約1.7倍になっているのに対して、日本は約1.2倍に過ぎない。つまり、今後も日本経済は低成長が続くと予想されている。

もしあなたが経営者だとしたら、今後も低成長が続きそうな国内で人を大量採用したり、給料を上げようと思うだろうか?おそらく思わないだろう。企業は今後も成長が期待できそうな分野や地域に投資をする。逆に、今後あまり期待できそうにないなら投資は控える。非常にシンプルな論理だが、今後の日本経済の成長性について明るい見通しを持っていない経営者が多いため、賃金は上がらないのだ。

 海外子会社の社員が本社社員以上に稼ぐ日

ニュースで大手企業が海外の聞いたこともない企業を買収したという話はよく聞くだろう。今後の成長が見込めない日本ではなく、成長余地が大きい海外に企業は活路を求めている。一般的に、子会社の社員の給料よりも本社社員の給料のほうが高い。しかし、それが逆転する日がくるかもしれない。

たとえば、成長著しい上海の子会社の中国人社員が東京にある本社の社員以上に稼いでいても全く不思議はない。中国の経済成長率は年6%、対する日本は1%程度だ。まだまだ成長余地がある中国では企業は積極的に人材を採用するし、投資も行う。当然、人材の争奪戦にもなりやすく、報酬を引き上げて優秀な人材を雇おうとする。この過程で海外子会社の優秀な社員が本社の社員以上に稼ぐことになる可能性も十分考えられる。

給料を上げるには働く場所と分野を変えること

では、どうすれば給料が上がるのか。その答えは単純だ。働く場所と分野を変えればいい。成長している都市、分野で働ければ給料は上がりやすい。金を稼ぐうえで非常に重要なのは、「いい時期に、いい場所にいる」ことだ。

そういう意味で、日本という国はいい場所とはいえない。経済は成熟してしまっており、今後も低成長が続くからだ。しかし、日本の中でも成長している分野があるなら、そこはいい場所と言えるし、給料も上がりやすいだろう。最近はビックデータなどの需要が高まっており、成長分野になっている。そうした分野で働ければ、年収はぐっと上がるだろう。

もしあなたがいまの給料に不満があるなら、考えるべきことは出世して昇給することだけではない。思い切って働く場所と分野を変えてみることも考えてみるべきだ。いまの自分の仕事の将来性はあるだろうか、成長産業だろうか、国内・海外の市場規模はどれくらいになるだろうか。そうしたマクロ的な要因も考えたうえで、自分の仕事について考えてみてはいかがだろうか。

クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める

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