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ホリエモンの生放送中スマホ使用問題への批判は的外れ

ホリエモンこと堀江貴文氏が番組の生放送中にスマホを使用したことで批判を受けているみたいです。批判の中身はマナーを守れというありきたりなものですが、そのような批判に対して「堀江氏は生放送中にスマホをいじるなというルールはない」と反論していて、なんだか主張が平行線をたどっているようですね。

勤務中にノンアルコールビールを飲むのはいけないことか?

このニュースを見た時、とっさに見出しの問題を思い出したんですよ。どこで見たのかは忘れましたけど、勤務中にノンアルコールビールを飲むのはOKなのかということが議論になっていました。

勤務中は水分補給もトイレ休憩もしてはならないというとんでもないブラック企業にでも勤めていない限り、勤務中でも水やジュースは飲みますよね?それでは、ノンアルコールビールはどうですか?アルコールも入ってないから酔わないし、勤務中でもちょっと一杯ビールでリラックスなんてのもいいと思いますよ。別に社内規定に勤務中はノンアルコールビールを飲んではいけないとも書いていないし。

こう聞くと、大抵の人はノンアルコールビールでも勤務中はよくないと答えます。私も勤務中にはノンアルコールであってもビールは飲まないと答えます。じゃ、ノンアルコールビールと水やジュースの違いってなんでしょうか?

ルールではなく信用の問題

 たしかに勤務中はノンアルコールビールを飲んではいけないというルールもないのだから、勤務中でもノンアルコールビールを飲んでいいという解釈は十分成り立ちます。でも、勤務中にノンアルコールビールを飲む行為に対してほとんどの人はいい印象を抱かないでしょう。

なぜかというと、それはルールではなく信用の問題だからです。勤務中であってもノンアルコールビールを飲むような人はアルコール中毒かもしれませんよね。あるいは、周りの評判を全く気にせず、顧客に対して失礼な態度を平気でとるような人かもしれません。そんな人に安心して仕事を任せようと思いますか?ならないでしょう。

実はとてもまじめで誠実な人なのかもしれませんが、勤務中にノンアルコールビールを飲むという行為は、その他様々なネガティブなイメージを連想させてしまいがちです。それは自分自身の評判に傷をつけるとともに、自分が勤務している会社の評判も落としてしまうことになります。

確かに、ルールでは禁止されていないからOKという解釈は成り立ちます。しかし、その解釈の先に発生すると考えられるネガティブな結果を予測できていないということは、それだけで十分マイナスイメージとなります。

多くの人は無意識的にもその行動の先に待ち受けるネガティブな結果を予想しているのです。だから、ほとんどの人はルールでは禁止されていなくても勤務中はノンアルコールビールは飲まないし、飲むのはよくないと答えるのです。

堀江氏への批判は的外れ

 今回の堀江氏への批判は生放送中のスマホ使用はマナー違反だから悪いことだという内容なようですが、勤務中ノンアルコールビール問題を考えた後では、そもそもこの批判はあまり問題の的を得ていないように思います。

堀江氏は生放送中にスマホを使用しましたが、その結果を背負うのは本人だけだからです。別に会社や仲間に迷惑をかけるわけでもありません。もし堀江氏が何かしらの組織に属していて、今回のスマホ使用によって組織全体に不利益が及ぶのであれば批判されて当然です。

しかし、彼は一匹狼よろしく一人で色々やってるわけです。自分の行動の結果を被るのは堀江氏本人なのですから、それについて外野がとやかく言うのは少し筋違いな気もします。

この問題の核心は、生放送中にスマホを使用することが良いのか悪いのかというものではありません。あくまでこの行為が信用問題に発展するリスクがあり、その結果を誰か(この場合では堀江氏)が被るということなのです。

ここを読み違うと問題の本質を見失ってしまい、いまのように「マナーを守れ」や「ルールでは禁止されていない」といった平行線のような議論に発展してしまいます。

そもそもなぜ、生放送中にスマホをいじることがいけないことなのか、そのあたりをしっかり議論しないと問題の切り口がわかりづらい問題だなと思います。

みなさんはこの問題、どう考えますか?

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