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World Journal

外資系金融機関勤務の著者がFXなどの投資系、金融系コラムを中心に書くブログ

ゴミみたいな人生もある

「すべての人生が素晴らしい」なんて大嘘。このCMを見たとき最初にそう思いました。


【公式】「すべての人生が、すばらしい。」リクルートポイントCM (120秒) - YouTube

 

このエントリーを書こうと思ったのは、この方の記事を読んで僕の考え方と少し違うなーと思ったのがきっかけです。

人生はマラソンじゃなくって - 雪見、月見、花見。

素晴らしい人生を送るにも条件がある

最初のナレーションの声が生理的に受け付けないのは別として、このCMを見て「寝言いってんじゃねーよ」と思いました。気合いの入ったナレーションとダイナミックな映像でついつい説得されてしまいそうになりますが、素晴らしい人生を送るにもある程度条件ってもんがあると思うのです。

僕は下の記事にも書いたようにパチンコが大嫌いなんですが、フリーターしながらパチンコやってる人の人生が素晴らしいとは思いません。

パチンコ屋というこの世のクソ溜め - World Journal


ニートの人生も素晴らしいと思いませんし、フリーターの人生も素晴らしいと思いません。中卒で日雇いで食いつないでいる人の人生も素晴らしいとは思いません。

このCMは一切合切そういうのを無視して、人それぞれの人生のゴールがあっていいんだなんて綺麗ごとで片付けて、安い感動を押し売りしていると思えてなりません。

多様性に潜む罠

このCMが一貫して発するメッセージとは多様性です。つまり、人それぞれ、色々な人生があっていいということなのですが、この多様性には大きな罠が潜んでいます。
下の参考ブログが大変わかりすい説明をしてくれてるので引用します。

「認識論的誤謬」という言葉がある。イギリスの研究者ファーロングらが指摘したコンセプトである。「多様化」なるものがジェンダーや階級的な不平等を覆い隠し、平等が拡大したかのような錯覚を起こさせることである。要するに、社会的構造においてどうしようもないことがあるのに、頑張ればなんとかなると思ってしまうことである。情報があふれる時代、実現可能性をあまり考慮せずに多様な選択肢だけが提示される時代である。自由なようで、そうではないような。

 「すべての人生が、すばらしい」リクルートポイントCM映像の感動と違和感 : 陽平ドットコム〜試みの水平線〜

多様性という名のもと、あらゆるものごとが美化されている。このCMはその典型に感じます。夢を追いかけるという大義名分のもと定職にもつかず、日々の生活にも困窮しているような人生を送る人々についても、「いろんな人生があっていいんだ!」の一言で美化し、感動的な音楽とナレーションでスルーしてしまう。

本当に全ての人生が素晴らしいのか?そう考えずにはいられない。

このCMで感動する人は自分の人生に不満があるのでは?

 このCMで感動する人って、言ってみれば自分の人生に何らかの不満を抱えている人なのではないかと思います。自分の理想とはほど遠く、満足していない日々を送っているのではないですか?

自分の人生に不満を抱える人がこのCMを見て、自分の現状を正当化したり、今の人生でもいいじゃないか、失敗してもいいじゃないかと無理矢理自分自身に納得させようとしているんじゃないですか?

それが「感動した」という表現に変わるだけであって。

ゴミみたいな人生もある

誤解を恐れずにはっきりいいますと、全ての人生が素晴らしいなんて大嘘です。ゴミみたいな人生もたくさんあります。

そうした現実を無視して、多様性という名の下、全てを安易に美化してしまうのは危険だと思います。そして、その安易な美化と安い感動がSNSを通じて拡散されていくのも、なんだか複雑な思いです。

現状から目を背けて安易に美化しないでください。ゴミみたいな人生もある。それをしっかりと認識してください。そして、最低限の人生を送れるだけの条件を整えてください。全ての人生が素晴らしいなんてぬかすのはそれからです。

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