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World Journal

外資系金融機関勤務の著者がFXなどの投資系、金融系コラムを中心に書くブログ

安い店の行列に何時間も並ぶ人の時給ってそんなに低いの?

お金に関するコラム

Crowd

先日、友人が行ってみたいということで渋谷のお寿司屋さんに行ってみました。なんでも安くてとてもおいしいのだとか。ここです。

時給670円で行列に並ぶ人たち

店についてビックリしたのは待っている人の多さ。店の前にズラッと行列ができていました。入口前に整理券を発行する機械があるのですが、発券してみると待ち組数はなんと49組。さすがに待つ気になれずさっさと別のお店に行きました。

ここで疑問に思ったのが、この行列に並んでいる人たちや新たなに行列に加わっていく人たちは何を考えているのだろうか・・・ということです。49組ということは、たとえ3分に1組はけたとしても、2時間以上かかる計算です。実際はもっと回転率は低そうですから、3~4時間は待つでしょう。

ここのお店の平均予算は2000円~3000円らしいですが、ぶっちゃけ5000円も出せばおいしい寿司を出す店はいくらでもあります。仮に飲み物も入れて3000円かかったとすると、差額は2000円です。2000円安くするために3時間並んだすると、その人の1時間あたりの価値は約670円ということになります。ちなみに東京都の最低賃金は907円だそうです。

別に僕は行列に並ぶことを否定している訳ではありません。普通なら10万円するブランド品が半額の5万円で買えるなら僕だって5時間くらい待ちます。しかし、2000円安い寿司を食べるために3時間並ぶなんて正気の沙汰じゃない。

並ぶのは値段だけが理由じゃないと思いますし、別にその時は働いていないのだから時給換算するのがおかしいという意見もあるかと思いますが、それでも理解に苦しみます。それに、実際並んでいる人のほとんどは安いから並んでいるのだと思いますし・・・。

安いというだけで行列に並ぶとコスパは悪くなるのでは

正直いうと、僕は安いからという理由だけで行列に並ぶ人が何を考えているのか理解できません。安い!コスパがいい!と喜びながら行列に並んでいる人を見ると、あなたの1時間はそんなに価値が低いのですかといつも考えてしまいます。

私たちが商品に払うのは金銭だけではありません。行列に並んでいる時間という時間的コストも支払っています。確かに値段は安いかもしれませんが。時間的コストも加えると本当に安いといえるのでしょうか。

その待ち時間がなければもっといろいろなことができたかもしれませんよね。そう考えると、僕は安い店の行列に並ぼうという気は全然起きないのです。

僕が行列に並んでいいと考える条件

では、どのような行列になら並んでもいいかと考えてみました。

考えられる条件の1つ目としては、時間的コストも考慮したトータルコスト(金銭的コスト+時間的コスト)よりも商品の価値が上回る場合です。先ほどのブランド品の例で考えてみましょう。

普段10万円で売っているブランド品が半額の5万円で購入できるとします。そして、そのためには行列に5時間並ばなくてはいけません。

もしあなたがその商品には10万円支払う価値があると考えているのだとしたら、あなたの5時間の価値が5万円以下なら行列に並ぶ価値があるということになります(金銭的コスト5万円+時間的コスト5万円=10万円)。時給換算1万円です。日本人のほとんどの人の時給は1万円以下ですから、このケースではほとんどの人は列に並んでもよいということになります。

仮にあなたの普段の時給が2000円なら、
5万円(値段)+2000円×5時間(時間的コスト)=6万円(トータルコスト)<10万円(商品価値)

となり、実際の商品価値である10万円より4万円分安く買えるのでお買い得ということになります。

2つ目の条件は、そこでしか買えないなどの希少性を持っている場合です。ただし、その希少性に見合う妥当な待ち時間と値段である場合に限ります。

今回の寿司屋のケースはこの希少性の問題にもあてはまります。寿司屋なら他にもいくらでもあり、代替可能な商品です。この寿司屋の2000円のメニューが他店なら1万円以上というのなら話は別ですが、恐らくそんなことはないと思うので、代替可能な寿司屋に数時間も並ぶのは理解できないということです。

値段が安いというだけで行列に並ぶ前に、本当にその行列に並ぶ価値があるのかよく考えてみるべきなのではないかと思います。

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