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World Journal

外資系金融機関勤務の著者がFXなどの投資系、金融系コラムを中心に書くブログ

【USD/JPY 売り】 全ての時間足で弱い、売りで攻める展開

トレード解説

ドル円は週足から1時間足まで、全ての足で弱い展開になってきました。こうなると日足レベルで崩れることを想定して、当面は売りで対応したいと考えます。

日足

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日足は現在直近の押し目付近で粘るような展開となっていますが、チャートを見ての通りかなり弱々しい動きです。こうなると日足レベルで崩れることを想定してトレードプランを立てたいところです。

今から上に切り返す展開を考えるとしたら強い陽線が一本出てくる必要がありますが、現状だと大陽線が出る確率よりも陰線が出る確率のほうが高いでしょう。もちろん、大陽線が出てショートがあっという間に刈られてしまう可能性もありますが、トレードはあくまで優位性のあるプランに従うだけです。

現状では大陽線が出て上に切り返される可能性よりも、日足レベルで崩れてくる可能性が高い。だからまずはショートすることを考えたいということです。

4時間足

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日足レベルでも弱いと書きましたが、4時間足でも弱さは表れています。4時間足は今までレンジで推移してきましたが、現在はサポートライン付近にいるのに上に戻す力が感じられません。

高値を切り下げてきていますし、現状では赤のトレンドラインに沿って下落を始めています。こうなると現在のサポートラインをブレイクする可能性が高い。日足でも売りたい形だし、4時間足でも売りたい形、ということはいずれにしても売りで攻めたいということです。

1時間足

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では、どこで売るか。1時間足を見てみましょう。1時間足もレンジで現在はサポートライン付近です。

セオリー通りで行くなら赤のサポートラインをブレイクしたら、戻りを待って売りで入りたい展開です。しかし、現在は日足でも4時間足でも崩れてきそうな展開です。こういう時は急落して足が速い相場展開になりやすいです。戻りを待っているとあっという間に置いて行かれる可能性もあります。

なので、本当は戻りを待ちたいのですが、まずは乗っかりたいと思います。こういう時に便利な手法があります。崩れてきたら、とりあえず普段のポジションの半分だけポジションを持つ、そのまま下に崩れたらラッキーだし、仮に戻ってきても残りの半分のポジションを入れればいいだけです。高値で売れるのでこの展開もラッキーです。

僕はこの手法を結構使います。確かに儲けが半分になってしまうこともありますが、下がっても上がっても自分にとっては都合がいいので精神的にかなり楽です。おすすめです。

まとめると、とりあえず月曜日は崩れてきたら飛び乗って売りたいし、当面は弱い相場が続きそうなので売りで対応したいということです。

書類送検と逮捕の違いについて

社会

ノンスタイルの井上氏が書類送検

お笑いコンビ「ノンスタイル」の井上氏が昨年タクシーに衝突して逃走した事故で、道交法違反と自動車運転処罰法違反の疑いで書類送検されるニュースが話題になっています。

お笑いコンビ「NON STYLE(ノンスタイル)」の井上裕介さん(36)が乗用車を運転中、タクシーに衝突して逃走したとされる事故で、警視庁世田谷署は、道交法違反(ひき逃げ)と自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで、井上さんを近く書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で31日、分かった。

 捜査関係者によると、昨年12月11日深夜、東京都世田谷区若林の都道で、タクシーに衝突して40代の男性運転手にけがをさせたが、警察への通報や救護措置をせずに現場から逃げた疑いが持たれている。

 出典:ひき逃げ容疑でノンスタイル井上裕介さん、書類送検へ 警視庁 - 産経ニュース

ニュース自体も非常に話題性があるのですが、みなさんは書類送検って何のことだかわかりますか。わかっているようで、実は知らないという人も多いのではないでしょうか。

せっかくの機会なので、今回は書類送検と逮捕の違いについて解説していきます。

逮捕から起訴までの流れ

書類送検を理解するためには、まず日本の逮捕・起訴のシステムを知らなくてはなりません。日本で犯罪を犯すと容疑者は下の画像のような流れで起訴されます。逮捕と書類送検はなんとなく似たようなイメージがありますが、手続き上全く異なる措置です。

           f:id:shohama1232:20170202195140p:plain

逮捕 とは

逮捕とは、容疑者の身柄を警察が強制的に拘束することです。警察官に捕まって、一時的に留置所などに拘束される、これが逮捕されている状態です。

実は、日本のシステムでは被疑者を起訴するかどうかは検察だけが決めることができます。つまり、警察で身柄を拘束しているだけでは有罪か無罪かは決まらないということですね。そのため、日本のシステムでは警察は逮捕後48時間以内に被疑者の身柄を検察庁に送致しなくてはいけないことになっています。

また、日本の捜査システムではこのように「逮捕して捜査するケース」と「逮捕しないで在宅のまま捜査するケース」があります。在宅のまま捜査するケースではこの48時間以内ルールは当然適用されません。

送致とは

送致とは、文字通り警察が被疑者の身柄等を検察に送ることです。この時、逮捕された被疑者の身柄が捜査書類と一緒に送致される場合と、被疑者の身柄が拘束されていない(逮捕されていなかったり釈放されたりした場合)時は捜査書類のみが送致される場合があります。

この書類のみが送致されることを書類送検といいます。つまり、書類送検とは捜査書類が警察から検察に送られることを言うのですね。この段階では捜査書類が検察に送られただけなので、起訴されるかどうかはわかりません。起訴されて有罪となった場合に初めて前科がつきます。

今回のノンスタイルの井上氏の場合も検察に捜査書類が送られただけですので、今後起訴されるかどうかはまだわかりません。

起訴とは

被疑者の身柄や捜査書類が検察に送られると、検察が起訴するか不起訴とするか判断をします。もし起訴されてしまい、有罪判決が出ると前科がつき犯罪者となります。

逆をいえば、起訴されて判決が出るまではわからないということですね。今回の井上氏はまだ起訴もされていないので、別に犯罪者になったけわけでも前科がつく訳でもありません。意外にこのあたりを誤解している方も多いので注意が必要です。

ただ、捜査対象となったことの記録は前歴として残ります。

書類送検になるケース

被疑者の身柄が強制的に拘束される逮捕が行われず、書類送検になるケースはいくつか考えられます。

1つ目は被疑者に逃亡の恐れがないと考えられる場合です。そもそも被疑者の身柄を拘束する逮捕は、被疑者逃亡や証拠隠滅を防ぐために行うものです。つまり、軽微な事件であったり、被疑者に社会的ステータスがあり逃亡する可能性がないと考えられる場合は逮捕の必要がないということです。

そのため、被疑者に逃亡の恐れがないと考えられる場合は逮捕はされず、検察への送致も書類送検だけということになります。

2つ目は、被疑者が死亡したり、入院して身柄の拘束がそもそもできない場合です。これは当然と言えば当然ですね。

今回のノンスタイルの井上氏のケースでは交通事故で死亡者が出た訳でもない軽微な事故であり、井上氏が逃亡する可能性もないと考えられるため、逮捕されることもなく、今回の書類送検という措置になったのでしょう。

書類送検されても前科がつく訳ではない

先ほども述べましたが、書類送検されただけでは前科はつきません。書類送検された後、検察が起訴して有罪判決が出れば前科がつきます。

通常、軽微な事故・事件では不起訴となることが多いようです。もちろん、起訴されることもありますが、今回の井上氏のようなケースでは不起訴になるのではないでしょうか。つまり、井上氏に前科がつくような可能性は低いということです。

今回はいい機会でしたので、逮捕と書類送検の違いについて解説してみました。

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【USD/JPY 様子見 】ターゲットに到達 少し様子をみたい

トレード解説

ドル円は昨日のエントリーで書いたとおりの動きになりました。

私も今日1日で60pipsほど取ることができました。

昨日のエントリーで114円付近になると煮詰まりそうだと書きましたが、現在は114円の目標に達したので少し様子をみたい場面です。

4時間足

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4時間足は現在レンジ中央で、中期MAの青線に支えられています。また、この線は直近トレンドラインの接点とも重なります。そのため、ここは上から売っていたトレーダーたちの利食いも出やすく、反発しやすい場面です。

また、短期的には高値と安値を切り上げている上昇トレンドですから、ここからの反発を狙った買いも入りやすいでしょう。そのため、上から売っていたのなら今の時点で利食いが最善だし、ここから無理に突っ込んで売りたくはないということです。

今後の展開ですが、今のラインを下にあっさり突き抜けるようなら売りでついていくしかないですが、そのような展開にならなければしばらく様子を見ようと思います。

【USD/JPY 売り】 攻防の節目だがひとまず売りで対応したい

トレード解説

2017年1月29日時点のトレードプランです。
ドル円は案の定直近安値に支えられて上昇してきました。現在は4時間足の目立つ水平線に到達しており、売買の攻防ラインとなっています。

4H足

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現在の相場はレンジ相場となっていることに加え、目立つ水平線にも到達したことからいったん売りで対応したいところです。

ただ、微妙なのが日足レベルで見ると現在は押し目ラインで支えられて上昇してきている点です。また、現在は4時間足でも短期MAラインに支えられている形となっています。レンジ上限を根拠に売りで対応はしますが、このラインを上に抜けたら即撤退です。

1H足

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では、売るとしたらどこで売るか?売りのタイミングを探るため1つ下の時間軸である1時間足を見てみます。

現在は1時間足は上昇トレンドとなっています。現在の状況で売るのはあまり得策ではありません。売るとすれば、直近の押し目で赤の水平線が引けるポイントを下に抜けてきたときです。それまでは上昇トレンドが継続しているとみて売ることはできません。

下に抜けてきたら水平線や短期MAを壁にして売りをしかけます。利食いのターゲットは114円あたりでしょう。114円は現在のレンジ中央であり、反発しやすいポイントです。また、日足は上昇トレンドであることから下落トレンドの値動きが煮詰まりやすいとみます。そのため、あまりショートポジションは引っ張れません。

想定とは逆に上昇してきたら、トレンド転換の可能性が高いので素直に買いでついていきます。現在の相場は機敏に立ち回りを変えないとなかなかついていくのは難しそうです。


【速報】トランプ大統領の移民入国規制の概要と影響をまとめてみた

社会

トランプ大統領、難民の受入停止と移民入国規制の大統領令に署名

トランプ大統領が難民の一時受け入れ停止と移民の入国規制を強化する大統領令に署名しました。これを受けてアメリカの空港で一部移民が当局に拘束されるなど既に影響が出始めている模様です。

ドナルド・トランプ米大統領は27日、米国から「イスラム過激派テロリストを締め出す」ために、新しい入国審査制度の導入を命令した。シリア難民の受け入れ一時停止や、2017年の難民受け入れ総数をこれまでの半分以下の5万人に制限するなど、複数の措置を含む大統領令に署名した。

ジェイムズ・マティス新国防長官の就任式の後、国防総省で大統領令に署名したトランプ氏は、「アメリカ合衆国からイスラム過激派テロリストを締め出すための、新しい審査制度を確立する。この国を支援し、国民を深く愛する人しか、この国に入れたくない」と述べた。

 出典:トランプ米大統領、移民審査強化を命令 シリア難民受け入れ一時停止 - BBCニュース

 今回の大統領令により、既に入国ビザが発給されている場合や航空券を購入している場合でも入国拒否や一部航空会社で搭乗拒否されるなどトラブルに発展している模様です。また、中東の特定地域(イランやシリアなど)からの移民の場合、既にグリーンカード(米国永住権)を取得していても再入国が制限されるとのこと(現在は永住者は入国規制の適用を猶予されています。追記を参照ください)。既に空港に数百人のデモ隊が詰めかけ拘束者の解放を求めるなど一部で衝突が発生しているようです。

エジプトでは28日、首都カイロの国際空港で、ニューヨーク行きの便に乗り換えようとしていたイラク人の家族5人とイエメン人の合わせて6人が搭乗を拒否されました。

このほか、オランダの「KLMオランダ航空」とカナダの航空会社、「ウエストジェット航空」が世界各地の空港で、アメリカ行きを予定していた合わせて8人の乗客の搭乗を拒否したことが明らかになっています。

出典:米大統領令で入国や搭乗拒否など相次ぐ | NHKニュース

 空港には地元選出の下院議員や数百人のデモ隊が詰め掛け、残る拘束者の解放を要求した。デモ隊は国内の他空港にも集結し、抗議は一段と強まっている。
 ABCテレビは、国内の4空港で少なくとも27人が拘束されるなどしたと報道。また米国の大学で学ぶ多数の留学生が国外に足止めされているとも報じられている。こうした中、トランプ大統領は28日、「(入国制限は)非常に順調だ。空港やそこら中を見て分かる通りだ」と語った。
 一方、米政府高官は大統領令がグリーンカード保有者も対象にしていると明らかにした。7カ国の出身者は、米国に再入国可能か領事館などに個別に確認する必要があるとしている。

出典:米入国禁止、数十人を拘束=各地の空港で混乱-永住権者も対象・トランプ大統領令:時事ドットコム

 アメリカ国内にとどまらず、世界的に衝撃が走っており、関係機関は緊急対応を迫られているようです。

今回の大統領令のポイント

今回の大統領令のポイントは以下の通りです。

アメリカの難民受け入れ事業を120日間停止、受入れ規模の大幅縮小

今回の大統領令ではアメリカの難民受け入れ事業を120日間停止し、今後も受け入れ規模を大幅に縮小することが盛り込まれています。オバマ政権下では今年度の難民受け入れ予定数を11万人としていましたが、今回の大統領令ではその半分以下である5万人に削減するとしています。

今回の大統領令により、今後アメリカへの移住を希望する難民への影響は必至です。また、難民問題により右傾化が進んでいる欧州各国でも今回の騒動を受けて難民への風当たりが強くなる可能性があり、現在難民を受け入れている各国でも今回の大統領令に追随しようとする動きが出てくる可能性があります。その場合、世界的な規模で難民へ影響が出ることが想定されます。

シリア難民の無期限受け入れ停止

難民受け入れ事業の停止や受け入れ規模の大幅縮小にとどまらず、シリアからの難民に対しては無期限で受け入れ停止となります。難民受け入れ事業が期限付きの停止であるのに対し、シリアからの難民についてはトランプ大統領が相当な修正が加えられ、入国審査手続きに十分だと判断するまでは停止としています。つまり、トランプ大統領が許可を出すまでは受け入れ停止となり、実質的な無期限停止状態となります。

トランプ大統領はシリアからの難民にテロリストが紛れ込んでいると以前から発言しており、その発言を大統領令にも反映させたものと思われます。

懸念地域7か国からの入国を90日間停止

今回の大統領令ではイラクやシリアの他に、イラン、リビアソマリアスーダン、イエメンなどの紛争地域を懸念地域に指定し、該当地域からの入国を90日間停止するとしています。これらの地域の出身者の場合、たとえアメリカの永住権であるグリーンカードを保持していたとしても拘束の対象になります。(現在は永住者への入国規制適用は猶予されています。追記を参照ください。)

難民や移民の入国を停止・制限したトランプ米大統領による大統領令から一夜明けた28日、米国では混乱と不安が拡大している。ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港をはじめ、各地の空港で当局がイラク人らを多数拘束、その数は少なくとも数十人に達した。入国制限対象の中東・北アフリカの7カ国出身者なら永住権カード(グリーンカード)を保有していても再入国が制限されることも判明している。

 出典:米入国禁止、数十人を拘束=各地の空港で混乱-永住権者も対象・トランプ大統領令:時事ドットコム

このため、全米各地の空港で拘束者が多数発生している模様です。

世界的に広がる影響

今回の大統領令には世界各国で批判が相次いでおり、大規模な抗議活動にも発展している模様です。そのような中、世界的に事業を展開する多国籍企業にも影響が出始めています。

GoogleのCEO、社員に警告し早期帰国を促す 米IT企業に動揺広がる

アメリカのIT起業は世界中から優秀な人材を集めているため、移民の社員も珍しくありません。GoogleのピチャイCEOは出張などで海外にいるGoogle社員宛に警告メールを送り、早期帰国を促したことを明らかにしています。

アメリカのメディアが28日、伝えたところによりますと、グーグルのピチャイCEOが社員宛てにメールを送り、出張や旅行でアメリカ国外にいる人は速やかに帰国するよう促したということです。今回の入国の制限で影響を受けかねない社員は100人以上いるとされ、ピチャイ氏はメールの中で「仲間が大統領令の犠牲になるのは痛々しい。移民問題には注意を払っていく」として強い懸念を示しているということです。

 出典:グーグル 社員に帰国促す 大統領令でIT企業に動揺 | NHKニュース

 ピチャイ氏自身もインドからの移民であり、スタンフォード大学を卒業して一流コンサルティングファームであるマッキンゼーでキャリアを積んだのち、Googleに入社しています。

また、Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏も今回の大統領令に懸念を表明しています。

フェイスブックマーク・ザッカーバーグCEOも「実際に脅威を与えている人の他にも法的処置の対象を広げることはむしろアメリカ人を危険にさらす」と投稿し、反発しています。アメリカのIT企業は優秀な人材を世界中から集めているため移民が多く、トランプ大統領の排他的な政策が実行に移されつつあることを受け動揺が広がっています。

  出典:グーグル 社員に帰国促す 大統領令でIT企業に動揺 | NHKニュース

 世界各地で広まる反発 抗議活動激化の懸念

今回の大統領令はアメリカ国内のみならず、当然ながら世界各地で反発を呼んでいます。

ニューヨーク市のビル・デブラジオ市長は、「米国人かつ移民の孫として、移民に関する大統領令を非常に悲しく思う」とツイート。「我々は宗教の多様性と平等の理念を基本に築かれた国だ。大統領は今日、恥ずかしくも異なるメッセージを発した」と市長は書いた市長はさらに、ニューヨークが長年にわたり米国を訪れる移民の玄関口だったことを念頭に、「偉大なるこの移民の町では、自分たちの価値観を常に忠実に守り、自由に息をしたいと希求する全ての人を常に歓迎する」と主張した。
(中略)
米自由人権協会(ACLU)のアンソニー・ロメロ会長は声明で、トランプ氏がこれまで使用してきた「extreme vetting(極端な審査、激しい審査)」の表現を批判し、「ムスリム差別の婉曲表現だ」と指摘。さらに、「ムスリムが多数を占める特定の国を名指しし、宗教少数者を例外扱いするのは、政府が特定の宗教を優遇もしくは差別することを禁止する憲法の理念に真っ向から背くものだ」と非難した。
(中略)
パキスタンで女性の教育権のために運動し、過激派勢力タリバンに撃たれ、後に最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイ氏は、トランプ大統領の命令に「心が張り裂けそう」と書いた。

 出典:トランプ米大統領、移民審査強化を命令 シリア難民受け入れ一時停止 - BBCニュース

イラン国会・国家安全保障外国政策委員会のナガヴィーホセイニー広報官は、「アメリカ大統領によるイラン人へのビザ発給禁止の決定は、この国が人種・宗教・民族差別の中世の時代に戻っていることを示す」と協調しました。

国連のグテーレス事務総長も、27日、国連総会で、移民や少数派が直面している差別に強い懸念を表しました。

 出典:トランプ氏が、7カ国の移民入国制限に関する大統領令に署名 - Pars Today

(※追記)大統領令に署名されてから数日経過した現在、与党である共和党内部からも批判の声が出ており、今回の大統領令は内外問わず非常に大きな非難の動きが出てきています。

トランプ米大統領が発した難民やイスラム教徒の多い中東・アフリカ7カ国から市民入国を禁止する大統領令について、民主党だけでなく共和党からも非難の声が出ている。

トランプ大統領の支持者である米上院外交委員会のボブ・コーカー委員長は、今回の大統領令はグリーンカード(永住権)保持者を中心に不利益を及ぼすと発言。「政権は直ちに、大統領令の適切な修正を行うべきだ。国家安全保障の完全な見直しと強化を経て、これらのプログラムの多くが改善され再び発令されることが私の望みだ」と話した。

 出典:難民・移民制限の米大統領令、共和党からも批判 | ロイター


既に一部で抗議活動が広がっているとの報道もあり、今後さらに抗議活動が激化することが懸念されます。トランプ大統領の就任式典後にはデモ隊が暴徒化しており、メキシコとの国境に壁を建設するとの意向も強い反発を呼んでいることから、さらにデモがエスカレートする可能性があります。

ニューヨーク連邦裁判所 大統領令の一部執行停止を指示

大統領令を受けて大規模な混乱が広がる中、米ニューヨーク連邦裁判所は大統領令の一部執行停止を命じました。ビザなど合法的に入国するための権利を有している場合、たとえイランやシリアなど懸念地域の出身であってもアメリカに一時滞在が認められる判決を下しました。

トランプ米大統領が、イスラム教7カ国からアメリカへの入国を大統領令で禁止した問題で、ニューヨーク州の連邦裁判所は1月28日、弁護士らの救済申し立てに応じ、大統領令の一部の執行を一時的に停止することを認めた

連邦裁判所の決定では、入国許可を受けた難民の追放を禁じている。また、大統領令の対象7カ国からの渡航者であっても、ビザなど合法的に入国する権利を持っている人々に対しては一時的に滞在を認めるとされた。

 出典:トランプ大統領令、執行停止をNY連邦裁判所が決定 翻弄された難民たち

今回の判決では大統領令自体の合法性や入国の可否事態は判断されなかったようですが、強制送還が凍結されたことは移民にとっては大きな一歩といえるでしょう。

ニューヨーク・タイムズによると、身柄拘束をされた100~200人が影響を受ける見通し。裁判所は、自国に強制送還された場合、回復困難な損害が起きると認めたという。ただ、難民らの米国への入国を認めたり、大統領令の合法性について判断したりはしなかったという。

 出典:トランプ大統領令に待った 米裁判所、拘束の難民に措置:朝日新聞デジタル

今回は一時的な滞在を認める判決ですが、今後、大統領令自体の合法性が焦点になれば司法と政権が対立することも想定され、アメリカの世論がさらに二分される展開も考えられます。

(追記)米15州の司法長官が今回の大統領令を非難する共同声明を発表しました。今回の問題をめぐり、提訴も検討しているとのこと。

米カリフォルニア、ニューヨークなど14州とコロンビア特別区(首都ワシントン)の司法長官は29日、イスラム圏7カ国の市民の入国禁止などを決めた米大統領令を非難する共同声明を出した。また、この問題を巡り提訴も検討しているという。

 

出典:15の州司法長官ら、移民制限の米大統領令非難 法的措置も検討 | ロイター

今後想定される影響

今回の大統領令は、トランプ大統領が公約の実現に強い意志を持っていると証明するものとなりました。メキシコとの国境に壁を建設する問題も含め、今後アメリカの世論を真っ二つにしそうです。

アメリカ国内の二分化が進行

大統領選挙当時からトランプ氏の過激な発言はアメリカの世論を真っ二つにしてきました。しかし、彼が大統領になり実際に公約実現に向けて動き始めたことでアメリカの二分化がさらに進みそうです。

トランプ大統領への抗議デモには収束の兆しが見られず、今後さらに激化していくことが予想されます。また、ニューヨーク連保裁判所が大統領令の一部執行停止を命じたように、アメリカの内政にも綻びが見られ、現役ニューヨーク市長や民主党議員がトランプ大統領に激しく抗議するなどアメリカの内政基盤がぜい弱化する可能性があります。

内政が混乱すれば、外交への影響も必至です。ロシアや中国などがアメリカ国内の混乱のスキをついて何か仕掛けてくる可能性もあります。アメリカ国内の二分化は国内のみならず、世界的な影響を与える可能性があります。

経済・金融市場が混乱

トランプ大統領誕生以降、金融市場は減税や大規模なインフラ投資を好感して上昇しました。メキシコとの壁問題など、公約実現に向けた姿勢を示したことで金融市場にとってプラスとなる減税なども実現する可能性が高いとの見方が台頭したためです。

しかし、それ以上に政治的な先行き不透明感が強まれば、経済・金融市場が混乱する可能性が高まります。トヨタなど自動車会社にアメリカ国内での生産を強く求めているように、既に企業活動に影響が出ており、業績への影響は避けられません。

また、Googleが社員の早期帰国を警告したように、政治的なリスクがビジネスリスクにも強い影響を与えるようになっています。今後、トランプ氏が当選した直後のような株価の上昇が続くかは正直疑わしく、先行き不透明感から金融市場も混乱するのではと思います。

そもそも政権を維持できるのか 政権の早期終了の可能性

今回の大統領令のように過激な発言や政策は大きな反発を呼んでいます。大統領就任直後の支持率が歴代最低だったことも反発の強さを裏付けています。

米調査会社ギャラップは23日、トランプ米大統領の就任直後の支持率が45%で過去最低だったと発表した。50%を下回るのは初めて。「ご祝儀」で通常は低くなる不支持の比率も、45%と過去最高に達した。

 調査は就任日の1月20日から22日まで実施。1953年のアイゼンハワー大統領から就任直後の支持率を調べており、その中で過去最低だった。これまで就任直後で最も低かったのはブッシュ父大統領とレーガン大統領のそれぞれ51%。オバマ大統領は68%だった。

 トランプ氏の調査結果では「男性」「白人」「高齢者」「非大卒」の支持率が比較的高かった。

 出典:トランプ米大統領、就任直後の支持率45% 歴代最低 :日本経済新聞


このような状況で政権を維持できるかは大変疑問です。場合によっては弾劾や辞任の可能性も考えられます。(トランプ氏の性格を考えると辞任はなさそうですが・・・)

また、ここまで抗議活動が激化すると当然暗殺の可能性が高まります。トランプ大統領の警護にかかる巨額の費用もニュースになっていましたね。

いずれにせよ、このような状況で長期政権を樹立するというのは大変困難だろうというのが私の見方です。

まとめ

今回の移民の入国規制を命じた大統領令は世界的に非常にインパクトのあるものです。また、移民・難民問題は対岸の火事ではなく、日本にとっても無関係ではありません。

今回の大統領令に感情的に反発するのは簡単ですが、なぜここまで過激な政策を行うのか、その背景もしっかりと考えなくてはなりません。これをきっかけに日本の移民問題についてもしっかりと考えてみたいところです。

追記

新たに報道があり、当初はアメリカの永住権保有者も入国規制の対象としていましたが、永住者は入国規制の適用を猶予するとの発表がありました。

ドナルド・トランプDonald Trump)大統領率いる米新政権は29日、イスラム教国7か国の出身者を対象に開始した入国制限について、前日の発表を覆し、永住者は適用を猶予すると強調した。トランプ政権は28日、永住権カード(グリーンカード)保有者も、7か国のうちいずれかの出身であれば全員、旅行などで出国する前に入国制限措置の免除を個別申請する必要があると発表していた。しかし29日になって、政府高官が報道陣との電話会談で「グリーンカード保有者に関する方針としては、国益免除を通じて大統領令の適用外とする」と述べた。

出典:米トランプ政権、入国制限で方針変更「永住者は適用外」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 

第45代アメリカ大統領誕生 トランプ!  ~世界が変わる日本が動く~

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